【 墨の磨り方 】
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《 墨の磨り方 》
※旧ブログ記事・再掲載版
墨を磨る・発色を出す、これはやり方1つで劇的に変化します。
例え良質な墨でも、使用硯・磨り方で、墨色変化が出ない事が多々ございます。
先ずは墨磨の方法です。
①濃墨を作る。
②上がった濃度を緩やかに下げて行く。
この手順となります。
【 濃墨を作る 】
墨を磨る時に、水を入れて磨り始め、大体この程度で止めてしまう傾向があります。
これは墨の成分である「煤」・「膠」・「水」が完全に混合されてはいない為、
無駄な滲み・縁が水気・墨色が軽い 等々の原因となります。
先ずは濃墨を作り、濃墨が完成してから、
上がった濃度を下げて行く工程が必要となります。
《 濃墨・濃度の設定 》
次にどこまでの濃墨にすれば良いの判断は、糸を引くまでとなります。
墨の粒子が混ざり合い、微粒子となった証明にもなります。
そこまで微粒子体となれば、混合完了となる為、無駄な滲み等々、
上記記載の失敗は無くなります。
《 濃度を下げる工程 》
糸を引く所まで微粒子体にした後は、緩やかに濃度を下げて行きます。
どこまで下げるかは、その方の希望・理想の為、わかりませんが、
普通墨の濃度、淡墨作品であれば、その方の希望の淡い所まで、
緩やかに下げて行きます。
ここで一気に水を入れたり、水を入れてあまり混ぜないとなると、
そもそも濃墨を作った意味が無くなる為、あくまで水は少量とし、
硯面で混ぜながら濃度を下げて行きます。
【 始筆は光沢有・艶有の黒ながら、渇筆箇所では墨色変化をさせる 】
作品視覚効果が劇的に変わり、魅了度が倍増します。
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